〇橋を架けよう(16)
4.3 橋梁基礎工事
橋梁の基礎工事の開始です。
工事は事務所のある右岸側から開始します。
事務所から河川敷までの通路を確保します。通路は、施工完了後は撤去できるよう仮設の階段を設けます。
仮設通路と上部のクレーンにより作業構台を設置します。
作業構台は、H鋼の構造に覆工板を載せて作ります。仮設構台は、橋台基礎が橋梁本体のアーチ部を支持する下部基礎と、アーチ部と左右岸を接合するトラス部基礎の上部基礎の2段になります。よって、構台も上下2段の構造となります。
下部基礎用の構台の設置で、設置手順を細かく示します。
まず、縦の親杭を設置します。H鋼の杭の設置方法は、震動で挿入する、打撃で貫入する、掘削してそこに立て込んでコンクリートで固めるなどの方法があります。
下段に引き続き、上段の仮設構台を設置します。
右岸側の構台設置が完了すると、右岸下部基礎の設置に移ります。構台の上にクレーンを入れ、下段の構台に工事用重機を搬入します。
小型の重機であればそのまま搬入できますが、クレーンで吊ることができない場合は、分解して構台の上で改めて組み立てるということもあります。
重機による下部基礎を掘削します。掘削した土砂は川に流入させないように、ベッセルに入れ、上部に吊り上げ、ダンプトラックに積んで搬出します。
下段基礎部分の掘削が完了しました。
右岸下部基礎掘削が完了すると、しばらく重量物のつり上げ作業がなくなります。そこで、左岸に大型クレーンを回送し、仮設工事班は左岸側の工事にかかることになります。
右岸側は、杭工事に入ります。杭工事は油圧ショベルのアタッチメントを杭工事用のオーガーに換装して行います。
杭工事と並行して左岸では下部と上部作業構台の設置が行われます。
これで、左右岸の作業構台は設置完了となります。
右岸の杭工事に戻りましょう。杭掘削が完了したら、資材を上部に引き上げます。
引き上げた資材で、上部基礎の掘削を行います。掘削部分の覆工板を外し、掘削を行います。
掘削が完了したら杭施工です。オーガーマシンで杭を掘ります。
右岸側の杭掘削を完了したら、機材を左岸側に移動して、左岸側の基礎掘削を開始します。掘削で取り外した覆工板は再度せっちして、開口部をふさぎます。
左岸の基礎掘削を行いながら、右岸では杭の芯となる鉄筋を掘削した孔に挿入します。
鉄筋を挿入した孔にコンクリートをコンクリートホッパーで投入します。コンクリートポンプを使用しないのは、コンクリートを下方向に押すと骨材とセメントが分離しやすいこと、下向きだと簡単に送るのを止めることができないためです。
右岸の上部杭を設置するため、覆工板を撤去し、鉄筋を挿入します。コンクリートを投入し、上部基礎を完成させます。
右岸の基礎施工が完了しましたので、左岸側に資材を投入して一挙に工事を進めます。
まずは、下部基礎施工です。
続いて、上部基礎の施工です。
これで、左右岸の基礎工事は完了です。
上部工を施工するためには、上部作業構台の撤去が必要です。
これで、基礎工は完了です。
次からは上部工です。
【完成予想】
ここまでで完成予想を作ってみました。
【今回の小物】
今回は、構台作りに時間を要しましたが、それ以外にも気になる小物があります。
・杭に挿入する鉄筋
・コンクリートホッパー
・ベッセル
・覆工板
・杭施工用オーガー