〇法面対策(鉄道関連施設)
今回は、鉄道関連施設の詳細を紹介します。
駅はL形鋼で作られた簡易なもので、長さは1両分です。ホーム上には駅名標や前駅の出発を確認できる出発確認標、非常時に使用する事業用電話があります。ホームの左右、運転手側には停止目標の◇の表示があります。
ワンマン対応となっており、ホームの左右には後方確認用のバックミラーが設置されています。
ホームから出口に向かうと、木造の駅舎があります。駅舎は簡易な改札と待合室、トイレが設置されています。駅舎の右側には気象観測装置が塔の上に設置されています。気象観測機器としては、運行規制に使用する雨量計、風速計が設置されています。
駅の右側には奥側に出発信号機、トンネルの保線の連絡用として事業用電話があります。右側のトンネルは急斜面の崩壊からトンネル坑口を防護するため、トンネル坑口を延長するようにトンネル状の落石防護工が設置されています。細かなポイントですがトンネルにはトンネル銘板が設置されています。
信号施設を落石から防護するため、斜面上に落石防護柵が設置されています。
駅では各種通信や信号系統の接続点になるため、通信や信号系統機器を収めた信号機室があります。それを補うように通信用のリレーボックスもあります。
出発信号機には信号機本体だけではなく、信号用のリレーボックスも作り込んでいます。
駅の左側にも出発信号機がありますが、警戒信号機も併設されています。この警戒信号機は、落石防護工に落石があった場合に進行を止めることを目的として設置されています。トンネル点検や防護工の異常を連絡するための事業用電話も設置されています。
落石防護工はトンネル坑口を保護するものですが、基本的な法面対策が行われ、落石の衝撃が小さいと想定されるため、鋼製のものとなっています。防護工上から鉄道や道路に落石が広がることを防止するため、防護工の周りに防護ネットが設置されています。こちらも防護工の施設名を示した銘板が防護工に設置されています。
奥側には斜面からの落石が線路に入ることを防止する擁壁式の落石防護工も設置されています。この落石防護工は、落ちてきた土砂を擁壁と斜面の間に設けたポケットに貯めることで抑止する施設です。
左側、落石防護工の上には対策が行われた法面があります。
奥側法面の下部は、大きな崩壊土圧をさせる必要があるため、支圧版とアンカーによる対策が行われています。上部は崩れやすい土砂を取り除いていますが、雨などによる浸食を防止するためをセメント吹付で表面を保護しています。点検用の足場も常設されています。
トンネル坑口上部の法面は、全体的な崩壊を押えるため全面をフリーフレームとアースアンカーで押さえています。フレーム内はセメントを吹き付ける場合の地山をそのまま残す場合がありますが、傾斜が急で雨などの浸食防止も考え、セメント吹付を行ています。
道路は、拡幅時に設けられた法面で、性状がトンネル坑口上部と同じなので、対策は全面をフリーフレームとアースアンカーで押さえる方針としていますが、鉄道トンネル部分はアンカーが鉄道トンネルと干渉し打てないことから、落石防止ネットで対策しています。落石防止ネット部分の崩壊に耐える構造にするため、防護工は鋼製ではなくPCコンクリート製となっています。
次は、道路関連施設の詳細説明です・・・・。