*製作手順(埼玉新都市交通(ニューシャトル)2020型を例にして)-2

 埼玉新都市交通ニューシャトル)2020型を例にして、製作手順を書いてゆきます。

 

(2)設 計

 設計図面ならCADが一般的でしょうが、CADソフトも高く個人では使用できない時代からの古いユーザーで、EXCELに馴染んでしまっていることもあり、EXCELの図形ツールを使って図面を作っています。EXCELでも0.1mmの精度で作図はできます、紙を対象としたものだとすれば、慣れるとそれなりのものが作れます。

f:id:okawaf:20210723115245j:plain

EXCEL 原図

 まず、車体の外形寸法を決め、外形寸法に合わせ、あとはイメージで作ってゆきます。イメージはネットに掲載されている写真などを使用しています。鉄道車両では、端面や上面のデータが少なく、毎回苦労します。

 外形の3面図を作成してから、各部品図を起こします。各部品をA4の中に既定の枠を設け、その中に配置します。既定の枠を設けるのは、EXCELの特性で、保存データを読み込むと寸法がおかしくなることを修正するために行います。既定の枠の中に部品をグループ化して保存しておくと、寸法がおかしくなった際でも、寸法を入れることで、復元することができます。

f:id:okawaf:20210723123918j:plain

寸法修正

 できた図面を印刷します。EXCELを使用しているため、作図上の寸法と印刷された図面の寸法は異なってしまいます。

 そこでひと工夫をします。

 グループ化された図を、別のワークシートに「図」として貼り付けます。これで、枠としての一体化された図形となります。これを、何の修正もしないで印刷します。

 もともとの図形は19cm×27cmですが、図として貼り付けると、図面の線の太さなどから19.01cm×27.02cmとずれが生じます。さらに、これを印刷した紙での寸法を測ると、17.45cm×25.18cmになります。印刷したものが19cm×27cmになるためには、元の図の寸法を換算し、19.01cm ⇒ 20.71cm、27.02cm  ⇒ 28.69cmに修正してやればよいことになります。ここで、単純に寸法を入力すると、規定値は縦横比が固定されているため、寸法通り入力できません。そこで、「縦横比の固定」のチェックを外してやる必要があります。

 この修正をおこなうことで、設計通りの寸法で印刷することができます。

 CADならこのような面倒毎はないだろうとは思いますが・・・

f:id:okawaf:20210723133339j:plain

寸法修正(印刷時)

 最後に、今回製作した3両分の図面を以下に掲載します。

f:id:okawaf:20210725172101j:plain

製作図 2121

f:id:okawaf:20210723133751j:plain

製作図 2421

f:id:okawaf:20210723133817j:plain

製作図 2621

 次回は、具体的な作り方です。