〇橋を架けよう(11)

3.1 積 算

 設計が完了したら、工事するために必要な費用を算出します。これが積算です。

 積算には、大きく2通りの方法があります。

 1つは公的な積算基準を用いて行う方法、もう一つは、業者から見積もりを取り、それを基にして行う方法です。

 公的な積算基準は、同様な工事の事例を集めて整理し、工事に必要な材料、機械、作業員の数(人工・にんく)を体系的に示したものです。

 例えば、画用紙で10cm角の箱を作るという作業を考えてみましょう。材料としてはA4画用紙が1枚、糊が少々必要です。工具としてハサミ、鉛筆、消しゴム、30cmの直線定規が必要です。手順としては、画用紙に鉛筆を使って図形を描き、それを切り抜いたのち、折り曲げて糊付けし完成となります。

 画用紙の単価、鉛筆や消しゴム、糊、定規の損耗率、作成に要する時間、人件費単価、経費(利益)を決めることで、かかる費用を求めることができます。

 これを標準として、20cm角のものを作る場合、複数作る場合などを補正率などで修正するようにすることで、効率的に工事費用を求めることができるようになっています。

 ある工事を完成させるためには、複数の要素作業(工種)を行うことになります。積算も、工種ごとに行い、それらの合算によって、工事全体の費用が求められます。

 積算するためには、用いられる単価をどのように決めるのかも問題になります。各積算基準にはそれに対応する基準単価が決められています。

 

 ここまでは、経験が多い工事ですが、新技術や経験の少ない工事、条件が積算に合致しない場合もあります。このような場合は、業者に見積もりを取り、見積もりを基にして積算を行います。この場合の積算は、数量などの条件、金額が適正かをチェックするのが主な作業となります。

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 詳しくは、積算基準、積算基準単価などで調べてみてください。

 

 積算が終了すると、施工業者を選定する入札となります。

 

※今回の模型作りの費用を算出してみましょう。

 作成時間は47時間、材料費は約900円、その他経費を入れて、作成費は¥101,807-となります。

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